組織改編に伴う人員整理 〜系列会社の社員を優先できるか?

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アザム・ムドザファー・オスマン氏
VS
ペラ・フレイト・サービス

判決日:2001.08.16

概要:

アザム・ムドザファー・オスマン氏 (以下A氏) は、P社イポー支店の海運事務担当。97年の経済危機により会社の受注量は激減。その後の受注回復が思わしくないとの見込みから、会社は所有船「ペラジャヤ」の運航を中止し、海運事業を子会社(L社) に移管するといったリストラ計画を実施した。

会社は、海運事業の子会社移管にともな い、A氏のポジションが余剰となった上に、A氏が必須の技能を持っていないと指摘。 A氏の職務は子会社L社の職員で、A氏より技能が上とされる (K氏) が引き継ぎ、A 氏はL社において代替の職務を与えられなかった。結局A氏は退職に追い込まれた。

A 氏は、会社がその後もコンテナのリース契約をキャンセルせず、また「ペラジャヤ」運 航休止を行っていないなど、海運事業を継続している点を指摘。会社のA氏に対する措置が経営問題を原因とするものでなく、悪意に基づく解雇であると主張した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 会社は、A氏が人員整理の対象となったことについて、それが必要であったという納得できる説明を提示しなければならない。

(2) 人員整理の事態は、事業を中止あるいは中止する意向である場合、および社員の 削減が必要な場合にのみ存在する。

(3) 会社が経営状態を明らかにするための会計係を法廷に招へいできなかったということは、すなわち会社が解雇の理由として主張する経営難の証明ができなかったという ことである。

(4) 会社は、A氏の職務が不要なポストであって整理の対象になるという証拠を提示しなければならない。しかるにA氏は、会社よりK氏の教育を命じられており、K氏の 方が技能的にA氏を上回るという主張は矛盾する。証拠を総合すると、A氏の職務や地位が解雇される時点で存在していたことは間違いない。

(5) A氏はP社において良好な勤務記録を残しており、K氏が違う会社であるL社の 出身であることからみても、会社がA氏の職務をK氏に代えたのは不当である。法律は系列会社であっても、お互いが別会社であるとはっきり区別している。別会社であるP 社の社員であるK氏をしてA氏に取って代わらせることで、社員であるA氏を解雇に追い込んだにすぎない。

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