給与減額と早期退職の選択 〜会社による強制はあったか?

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チーヨウコン
VS
ペナス・リアリティー

判決日:2001.07.31

概要:

会社は1997年当時、建設不況に見舞われて深刻な経営難に陥っていた。経営立て直しのため、人件費の削減を求められた会社は、3~5%の給与カット (後に14~38.5%にまで拡大) してでも雇用を守ることを選択。

チー・ヨウコン氏(以下 C 氏)は25%の給与カットを求められたもののこれを拒否した。C 氏は、退職届を書くよう強制されたと主張。給与を 25%減額する内容の同意書への署名を拒否したため、解雇されたと主張した。

一方、会社側は C 氏が退職にかかわる任意の同意書に署名し、特別退職金1万7,600リンギを受け取ったと主張。C 氏は会社の行為が不当解雇に当たると申し立てた。

判決:

解雇は合法

裁定内容:

争点となったのは、C 氏の退職届が会社によって強制されたものか否かという点。C 氏 と人事課は面談の場をもち、C 氏は給与減額か早期退職に応じるかの提案に対する決断を迫られ、C 氏は同日早期退職を選択し、翌日特別退職金を受け取った。これについてC 氏は、非常なストレスと圧力の中でサインすることを迫られたと主張。会社が同日導入を発表した自主退職スキーム (VSS) についての情報を C 氏に知らせなかったことも、 会社の不誠実の根拠とされた。

一方、C 氏には人事課との面談の後にいったん昼食の中 断をはさみ、午後になってサインするなど、提案について十分に検討する時間が与えら れていた。人事課担当者も、サインをしなければ解雇するといった脅すような言動はな かったと証言、また C 氏の同僚は C 氏が特別退職金を受け取って喜んでいたと証言した。

法廷は、以上のことから強制されたとする証拠は見当たらず、また会社側は従業員の雇用を守るための最大限の努力を行っており、C 氏に対しても十分な状況説明などが行われており、過失は見当たらないと認定。VSS についても、C 氏と面談した人事担当者は 同日 VSS の決定について知りうる立場になく、またC 氏の退職届の署名は経営側がVSS 導入を決定する前に行われており問題はないとした。

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