職務ボイコットに対する処罰〜首謀者の認定は?

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パルバティ・スピアー氏 VS
クリスタルクラウン・ホテル

判決日: 2001.05.09

概要:

パルバティ・スピアー氏(以下S氏)は電話交換手の副主任。会社側は、同僚を扇動して社内を不穏にしたという理由でS氏を解雇した。

会社の主張によると、S氏は他の同僚を説き伏せ、一斉に病気欠勤をとるといった方法による集団職務ボイコットを扇動。会社の業務に著しい損害を与えた。

一方、S氏は職務ボイコットの主導的役割を果たしたとの容疑を否認したうえで、会社がS氏ボイコットを先導したという証拠を提示していないと主張。また会社の調査委員会でも公正な反論機会が与えられず、他のボイコット関与者が軽い懲罰にとどめられたのに比べると、解雇という重い処罰は差別的だと主張した。

なお、S氏は会社の不当解雇を産業法廷に訴え出たが、一審で敗訴し たため高等裁判所に控訴。高裁は一審判決を棄却し、産業法廷に審議差し戻しを命じていた。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 内部調査において会社が解雇しようという被雇用者の弁明を拒否したことは信じ がたいことである。会社側がS氏の陳述を妨げなければならない正当な理由はない。

(2) ボイコットに関して、S氏がホテル中の他の部署の職員につながっているという証拠はない。またS氏がボイコットを扇動したということも証明されていない。

(3) 証人3人による証言は、S氏がボイコットにどの程度関与したかについてあいまいである。彼らは総じてボイコットに面白がって参加したものと思われるが、彼らの証言によりS氏がボイコットを主導したと類推することはできない。彼らがボイコットに 参加したことの重大さに気づいたためにS氏に責任を負わせようとし、また雇用者によ る罰則の恐怖から逃れようとしたと推定できる。

(4) ボイコットが病欠を装ったとされる点における医師の診断書については、医師が証言しない限りは偽物か本物かを証明することはできない。

(5) 他のボイコット参加者に対しての処罰は文書による警告および1〜2日の減給だけだったのに対し、会社がS氏だけを解雇したのは不公平である。

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