証拠のない外勤を主張する原告〜給与無支給は正当か?

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ズルキフリ・アブ・バカル氏
VS
アサス・アーキテクト

判決日: 2000.11.16

概要:

 原告のズルキフリ・アブ・バカル氏(以下Z氏)はプロジェクト・マネージャー。 会社側は、警告にもかかわらずZ氏が外勤を理由に出社しなかったため、辞職の意思あ るものと見なして退職処理とした。
 一方Z氏の主張によると、Z氏は1年ごとの雇用契約更新を重ねていたが、勤務7年目にあたる98 年において、2月には本来の月額給与 3,100リンギのうち、1,000リンギしか支給されず、またその後会社を辞める8月まで一切給与が支給されなかった。それでも3月から8月までの半年間、プロジェクト・マ ネージャーという仕事柄オフィスに出勤する日は少なかったものの勤務を続け、またその間有給休暇を取ったのはたったの2日であったと主張。事前に会社から警告通知等が一切与えられなかったことを理由に、誘導的解雇を訴えた。
 これに対し会社側は、給与が支給できなかったのは会社の経営が困難であったからだと説明し、また9月以降Z氏に連絡を取らなかったのは、Z氏が自主的に辞職したものだと判断したためであったと 主張した。

判決:

原告の申立て却下

裁定内容:

(1) 会社が2月以降Z氏に対して給与を支払わなかったのは確かである。しかし、当時は国全体が経済危機に陥っており、会社もその例外ではなかったことが証明されている。

(2) 会社ではパンチカードや勤務成績に関する警告通知などは一切使用していない。 このことから、会社が社員を全面的に信用しようとしている姿勢がうかがえる。従って、 会社が社員を不正に扱うようなことは有り得ないと判断できる。

(3) 98 年2月から8月までの間、会社はいかなる事業も行ってはいなかったことが立証されている。つまり、Z氏には外勤する理由はなく、毎日オフィスに出社する義務があったにもかかわらずそれをしなかった。

(4) 目撃者の証言により、会社はZ氏に何度も電話連絡をするなどして、出勤を促していたことが立証されている。Z氏は自ら欠勤を重ね、最終的に自らの意思で会社を辞めたと判断できる。誘導的解雇の事実は無い。

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