試用期間中の解雇〜自発的な退職の意思表示があったか?

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ラズレイン・マリク・アブドゥル・ラティフ氏
VS
コンソルティウム・ラパンガン・テジャヤ

判決日: 2000.01.20

概要:

原告のラズレイン・マリク・アブドゥル・ラティフ氏 (以下L氏) は、マネージャー見習いとして採用されたが、まだ試用期間であった8カ月後、不適切な手続きに基づく欠勤及び成績不良を理由に解雇された。

会社側の唯一の証人である事業課長 (以下G氏) は、9日に渡る連続欠勤の前にL氏が会社に提出した休暇届に 21 日間という不適切な申請日数があったため、社長の指示のもとL氏に電話で連絡を取ろうと何度か試みた。しかし結局連絡は付かず、以来L氏が出勤することはなかった。

G氏の証言によると、連続欠勤前に行われた勤務成績評価においてL氏の成績不良が指摘され、L氏自身もそれを認めた上で自ら退職の意思を明らかにしており、会社としては長期欠勤がL 氏の退職の意思であるとの認識に達したという。

これに対し原告のL氏は、連続欠勤は社長からの指示によるものであったと主張。G氏からの電話連絡及び退職希望の発言に関しては、前面的に否定した。

なおG氏はこの事件以降に退社、また最重要証人となるべき社長は、当裁判の前に死去しており出廷はかなわなかった。

判決:

解雇は正当

裁定内容:

(1) 試用期間中の被雇用者も、正社員と同様の権利と義務を有する。産業法廷におい て、解雇の正当性を判断する際に焦点となるのは以下の3点である:
(A) 解雇の理由は何か。
(B) その理由は会社によって立証されるか。
(C) 理由が立証された場合、 それは解雇を正当化するに値するか。

(2) G氏は既に退社しており、会社の利益のために法廷で偽りの証言をすることは考えにくい。社長の指示のもとM氏に出勤を促すべく連絡を取ろうとしたことは、事実である可能性が非常に高い。

(3) 社長がL氏に出勤をしないよう指示を与え、同時に出勤しないL氏に連絡を取るようG氏に指示を与えたとは考えられない。G氏の証言によれば、L氏は成績不良を理由に自ら退職の意すら明らかにした。そしてL氏の発言した退職希望日は、連続欠勤の初日と一致していた。欠勤はL氏の判断によるものであったと推測される。

(4) L氏の要求した 21 日間の休暇が雇用契約に反していたことは、L氏自身も十分に承知していたはずである。にもかかわらず、その数字を休暇届に記入した。L氏はこの不可解な行動に関して説明が出来なかった。

(5) L氏は、勤務成績においてその評価が良好ではなかったが、社長が将来の正式採用を約束したとも主張した。もし予想外の解雇を申し渡されたのであったとしたら、その説明を求めたはずではなかったか。しかし現実には解雇通知が与えられてからも、L氏は一切会社に顔を見せなかった。

(6) 会社はL氏の出勤を9日間も待ちつづけた。またL氏の解雇にあたって、会社と原告の間にはいかなる悪意、差別、個人的恨みは存在しなかった。

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