転属命令に対する異議 〜会社による理由の提示は十分か?

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マリア・ローレンス氏
VS
アンティオーニ

判決日: 2001.06.02

概要:

マリア・ローレンス氏 (以下L氏) は、サラワク州クチン市内にある小売り店舗の販売促進担当。会社はL氏に対し、同じクチン市内にある別の店舗への転属を命じたが、L氏はこれを拒否。

会社は、転属命令に対する不服従に加え、他の従業員に対する L氏の我儘な態度や勤務成績の不良を列挙し、これらを理由にL氏を解雇した。

一 方、L氏は、単に会社の転属命令を個人的わがままで拒否したのではなく、会社がL氏 の転属を決めた判断方法について不明確だったことから異議を申し立てたのであり、結果的にこうした異議や抗議が解雇に結びついたと主張。解雇は不当だとした。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1)会社が解雇理由として挙げているL氏の勤務成績不良や同僚との人間関係といった問題は、後から付け加えたものに過ぎない。L氏が即刻解雇になるような根拠にはなりえない。

(2)会社が挙げた、勤務成績の不良や人間関係などの問題点は、「L氏の解雇」というより「L氏の転属」の理由に相当している。転属命令についてはL氏が会社の命令に疑問を唱え、会社に説明を求めているのであり、転属命令の拒否という理由によるL氏の解雇は不当である。

判例によると、被雇用者の転属は雇用者が決めうる権利であるが、それが正当な理由を有する、あるいは悪意によるものでない、急を要する場合における純粋な経営上の判断である場合に限って正当だとされる。

L氏はその主張のとおり、会社の命令を拒否したのではなく、理由を求めたのであり、会社はL氏の命令拒否を主張する前に、まず転属の理由を示すべきだった。

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