通勤不便な子会社で労働日数も増加〜異動は不当?

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ムスラクシュミ・ゴビンダサミー氏
VS
ビナ・プリ・ホールディングス

判決日: 2004.04.13

概要

原告のムスラクシュミ・ゴビンダサミー氏 (以下M氏) は、会社の会計係として勤務。子会社であるイージー・ミックス社 (以下E社) への不当な異動を理由に、誘導解雇を訴えた。

M氏によると、異動に伴って、勤務日数が雇用契約に記されている週5日から、週5日半に増加した。また、E社の近辺からは、以前のように公共交通手段を 利用することができず、その上に仕事内容にも変更があったことから、異動は不当に行われたと主張した。

一方会社側は、異動はE社における欠員によるもので、異動後もM氏の籍は会社に残ったままだったと説明。労働日数の増加に対しては、正当な額の給与を支払ったこと、また会社方針として交通費の支給は行われていないことから、異動の正当性を主張した。

判決

異動は正当

裁定内容:

(1) M氏の雇用契約書には、異動の可能性が明記されていることから、基本的に会社にはM氏に合意を求めることなく、異動命令を与える権利がある。

(2) M氏の労働日数の変更により、会社が一方的に雇用契約の条項を変更したことは事実だが、その分の給与支給に関して事前にM氏に伝えられていることから、契約違反行為とはみなされない。また、会社が躊躇なく、M氏に対して以前より多額の給与を支払おうとした事実から、M氏に会社に留まって欲しいとする会社の意向が裏付けられているとも言える。

(2a) E社の全社員の労働日数は週5日半であり、そのことはピナ・プリ・グループ の全社員に配布されている「会社の手引書」にも明記されている。

(3) 証拠により、M氏の仕事内容は異動後にも何ら変化はなかったことが立証されている。

(4) 会社方針により、会社は社員に対して通勤の交通費を支給していないことが立証されていることから、通勤に関するM氏の申し立ては成立しない。

(5) M氏の異動の他に、会社は組織編成として工場の閉鎖、子会社の合併、人員削減、他社員の異動などを行っていることからも、M氏の異動が不当とみなされる理由は無かったと言える。

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