違法スト〜会社が主張せずとも解雇の根拠となりうるか?

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シャアリ・シャハット氏その他
VS
ツリタニ(マレーシア)

判決日: 2000.12.20

概要:

シャアリ・シャハット氏その他(原告)は、適切な残業手当が支給されていないと不満を持ち、会社がマレー人労働者を差別し、アシスタント・マネージャーを解雇したと主張。抗議の意を込めて1995 年5月4〜5日の2日間連続して無断欠勤し、続く6 日朝、会社正門前でピケをはった。

これに対し会社側は正門を閉めて対抗。その後、労働者側と交渉するために、立ち入りを許可し、労働局員立ち会いの下で労使関係部マネージャーが労働者側と話しあった。

会社側は、原告らが4日から6日の朝シフトまで 無断欠勤したと主張。1967 年産業関係法 15 条に基づく「2営業日を超える連続した無断欠勤を雇用契約の破棄とみなす」との規定に従って解雇を決定した。

一方原告らは、6日の労使交渉の際に労働者側が社屋に入ることを認められた上にその日の給与支払いも受けたと指摘。このことが、会社が原告らの行為を容認したものと主張した。

なお会社は、解雇理由に違法ストライキに参加したことを挙げなかった。

判決:

解雇は合法

裁定内容:

(1) 1967 年産業関係法15条を適用するには、原告らに3日連続無断欠勤したという事実がなければならない。しかし、会社は6日に原告らの会社への立ち入りを認めており、原告らが3日連続した無断欠勤をしたことにならない。

(2) 証言にもあるように、原告らの最初の2日間の無断欠勤は、労働組合に組織されたものであり、1967 年産業関係法2条に定義される違法ストライキであったといえる。 原告らの一部が扇動して、操業を妨害しようとしたものであり、原告らもこれについて反論していない。

(3) 最初の2日間の無断欠勤の理由の1つは、アシスタント・マネージャーの解雇にある。こうした理由に基づくストは違法である。ゆえに原告らが最初の2日間無断欠勤した ことは違法ストとみなせ、違法ストに参加した者にとって、解雇は適切な罰則であった。

(4) 原告らは、違法ストの実施により会社に重大な損害を与えた。会社は、原告らよ り無断欠勤を謝罪し2度と繰り返さないという言質をとる引き換えに会社に戻ることを許そうと提案するなど寛大であったが、原告らはこれを拒否した。原告の1人であるアニタ氏の場合は、会社の提案に応じたものの、ストの首謀者の1人であったことから会社は復帰を認めなかった。

(5) 会社は解雇の理由として、原告らの違法ストを挙げていないが、法廷は 1967 年 産業関係法 30 条(5)に基づき、原告らの行為を公正の原理に反すると認定し、会社がとった原告らの解雇という措置を正当なものと認める。

(6) 会社が6日に原告らを会社の敷地に入れたことは、原告らの行為を許容したもの ではなく、原告らと交渉するためであった。

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