雇用契約にない試用期間の延長〜合法的といえるか?

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ラジャ・クマラン・スピア氏
VS
コック・フーン

判決日:2001.12.30

概要:

ラジャ・クマラン・スピア氏(以下R氏)は、試用期間を3カ月とした上で上級現場監督として会社に採用された。のちに会社はR氏との雇用契約におけるオプション規定に基づき、試用期間を3カ月延長した。

しかし会社はその後もR氏との間に正社員としての雇用契約を結ぶ気配はなく、逆にR氏の勤務成績が思わしくないとの理由で再び試用期間を3カ月延長した。

R氏は、2度目の試用期間の延長がR氏と会社の間で結んだ雇用契約に規定されていないことであり、会社による契約違反に当たると主張。文書により会社に身分の保証を求めたが、会社はその後もR氏を試用期間のままとし、2 度目の試用期間の延長期限に際してR氏に雇用契約を延長しないという実質的な解雇の回答を出した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 会社は、R氏の勤務評価を下してはいるものの、それは試用期間の延長をR氏に通告するまでの間、R氏に一切伝えていなかった。R氏の試用期間中の勤務成績評価において合理的な手段を用いておらず、また有益かつ公正に行われるべきアドバイスや警告がなされていなかった。R氏は公正な聴聞の機会を与えられず、会社は、2度の試用期間延長の後にR氏との契約を延長しない旨を通知したが、そこにはR氏の勤務成績不良を理由とするとは書かれていなかった。

(2) R氏は、自分に向けられた会社の低い評価に対し、自分の見解や反対意見を表明する基本的な権利を与えられていなかった。すなわち会社は、R氏の勤務評価を下す前にR氏の同僚より意見聴取を行ったと主張しているが、そうした事実を立証することができなかった。

* なお2度目の試用期間延長について本法廷は、そうしたことが雇用契約に書かれていなかったとしても、会社の判断で実施することが可能との意見を表明。ただしその際には、 実施を決定する前に被雇用者に対し十分な警告や指導、けん責、停職などを実施し、被雇用者が改善する機会を与えなければならないとした。

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