最低賃金1,200リンギ「首都圏では不十分」=専門家

2020年度予算案に都市部を対象に最低賃金を現在の1,100リンギから1,200リンギに引き上げる方針が盛り込まれたが、サンウェイ大学ビジネススクールのイア・キムレン教授は、首都圏クランバレーで未だに生活コストを下回る水準だと指摘。副業による収入増を図る必要が出てくる可能性があるとしている。

中央銀行バンク・ネガラの調査によると、クアラルンプール(KL)の成人1人の生活費を賄うために必要な賃金は月額2,700リンギ、子供のいない夫婦は同4,500リンギ、2児の夫婦は同月6,500リンギとなっている。イア教授は2018年の2016年の統計でKLの低所得者の下から40%(B40)世帯の所得は5,344リンギに留まっている点を挙げ、いまだに最低賃金水準が低すぎるとしている。

イア教授は、現状では全国の280万世帯あるB40世帯のうち5万5,600世帯がKLに存在しているというデータしかないと指摘。B40の所得水準をさらに細分化しない限りKLにおける絶対的及び相対的貧困率を判断することは困難だとしている。

一方、セランゴール州については、マレーシア・プトラ大学ビジネススクールの経済アナリスト、アハメド・ラズマン・アブドル・ラティフ博士は、平均所得は他州より高めだが生活費は高いと指摘している。同州のB40世帯収入は4,307リンギで、トップ20%(T20)の2万1,125リンギ、中間の40%(M40)の8,790リンギと差がついている。

(エッジ、ベルナマ通信、10月28日)

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