マレーシアで人事異動を行う際のQ&A

マレーシアで人事異動の際の注意点と、よくある質問に対する弊社の見解をまとめました。
異動のマレーシアでの定義
異動の扱い日本とマレーシアでの違い
成績不良などで懲罰を与えるための対応を行う場合、日本での企業では軽い順番として
減給→降格→解雇
の順で行うのが一般的ですが、マレーシアでは異なります。
減給・降格など金銭面でデメリットがある処分を行う場合、必ず従業員の同意が必要となります。
解雇のみが、唯一会社主導で行える処分となりますが、不当解雇として訴えられないよう手順を踏んで行う必要があります。
配置転換と雇用契約書
人員削減を考える前に、従業員の配置転換を検討している。就業規則や雇用契約書で異動について規定は必要か?
会社の存続のためなど正当な理由があり、減給など従業員への金銭的なデメリットがなければ、異動は可能となります。
ただし現在の雇用契約書に勤務地についての指定がある場合は難しくなりますので、確認が必要です。
減給を伴わない水平異動を行う可能性がある場合、前もって雇用契約書に
「時と場合により会社は勤務地を伴う異動を命ずることがある」と記載しておけば、トラブルを防止できます。
就業規則の記載を変更する場合は従業員全員に対して行い、全従業員に対して通知を行います。
参考記事:マレーシアで整理解雇を考える前に
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従業員が異動を拒否する場合
会社より辞令を発行した場合に従業員が断ってきた場合は、どの様な対応が可能か?
※ 水平異動(給与が下がるなど降格に当たらない)という前提での見解となります
すぐに退職を勧告すると、異動後に自主退職→みなし解雇として訴える可能性が高く、注意が必要です。
① 当人へ、「人材の配置転換を行う」旨で異動への同意を求めます。
それでも拒否する場合
② なぜ拒否をするのか理由提示書 (Show Cause Letter) を発行します。
※ 回答期限を設けて、書面にて拒否理由をヒアリングします。
③ 異動を命令し、会社主導で実行します。
参考記事:転勤・異動に関する労働裁判の過去の判例
この記事が、マレーシアでマネジメントに携わる方に役立てば幸いです。