マレーシアの人権改革は失速=ヒューマンライツウオッチ

人権を標榜する米国の団体、ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は14日、「世界人権年間2020」を発表。マレーシアについてアジア地域副ディレクターのフィル・ロバートソン氏は、「マレーシア政府はマニフェストにおいて人権面の改革を約束したが、撤回や遅延が生じており、改革は失速している」と指摘した。

ロバートソン氏は、与党連合・希望同盟(PH)政権が野党連合の反対を受けて、改革をほとんど履行できていない状態だとして、マニフェストを実現するためにさらなる努力をすることが必要だと指摘。しかしその一方で、反フェイクニュース法の撤廃、警察への苦情を処理するための独立委員会の設立法案の推進、権利問題を討論するため議会の独立性の強化などを行ったことを評価した。

その一方で、表現の自由や、宗教の自由、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の人権についての改革に進展はなかったと指摘。またこれまで政府は、ローマ規程の批准や、死刑の完全廃止なども撤回しているとした。

マニフェストでは、国家安全(特別措置)法(Sosma)の撤廃を盛り込んでいるが、現在も施行されており、警察による虐待が依然として深刻な問題となっている。またマハティール・モハマド首相は、LBGTを支援しないと表明しており、昨年はトランスジェンダーの人々が複数逮捕された。