米当局がFGV製パーム油を輸入禁止に、強制労働の疑いで

【クアラルンプール】 米国税関国境警備局(CBP)は、労働者に強制労働を強いているとしてマレーシアのアブラヤシ農園大手、FGVホールディングスからのパーム油の輸入を禁止したと発表した。
CBPは人権団体の訴えに基づいて1年にわたる調査を行った結果、弱者への虐待、欺瞞、身体的および性的暴力、脅迫、身分証明書の強制預かりといった強制労働を行なっている兆候が明らかになったと指摘。児童に強制労働を強いている懸念もあるとしている。
CBPのブレンダ・スミス副局長は、強制労働を用いることで企業が労働者から搾取し利益を得ていると指摘。より広範なパーム油産業において強制労働に関する申し立てを受けており、米国の輸入業者に供給業者の労働慣行を調査するよう要請したと述べた。その上で、FGVと合弁事業を行っている米国の消費財最大手、プロクター&ギャンブルに対してFGVからの輸入禁止を求めたと明らかにした。
マレーシアのアブラヤシ農園労働者の約84%、約33万7,000人がインドネシア、インド、バングラデシュなどの外国人で占められている。人身売買撲滅運動を行なっているリバティシェアードは今年4月、サイム・ダービー・プランテーションに対しても、労働虐待の疑いでCBPに告発状をを提出した。これを受けてサイムは7月、リバティシェアードに詳細情報を求め、調査の上で違反があれば迅速に対処すると回答した。
(ザ・サン、ロイター、10月1日)