マレーシア人労働者の92%が失業や転職へ備え=調査

   【クアラルンプール】 人事管理システムの豪州企業エンプロイメント・ヒーローの人材トレンドに関する調査で、マレーシアの労働者の92%が失業や転職に備え、キャリアのセーフティ・ネットを構築していることが分かった。


 同調査は1月4ー11日に全国のマレーシア人労働者1,000人以上を対象に実施。マレーシアでは、他国と比較して「キャリア・クッショニング(現職のまま失業や転職へ備えること)」を実践している割合が高く、その率はシンガポール(84%)、ニュージーランド(70%)、オーストラリア(66%)、英国(63%)を上回った。


 エンプロイメント・ヒーローは、マレーシアのキャリア・クッショニングの実施率が高いのは、「給与がインフレに追いついていない」と感じる従業員が多い(45%)ためと分析している。具体的な備えとしては、33%が「専門スキルの拡大」、31%が「新しいテクノロジーツールの使用方法の学習」、28%が「業界転換」に取り組んでいると回答した。


 一方で、回答者の60%は仕事に安心感を抱いており、海外キャリアへの意欲は減退している。パンデミック期の2021年に「海外での就職を検討する」と回答したのは72%だったのに対し、現在は59%まで減少した。「社内異動したい」と回答した率は2021年の35%から48%に上昇。そのうち98%が「昇進や役割変更に向けて行動を起こしている」と回答した。


 「転職したい」と回答したのは46%で、その理由として53%が「給与アップ」(2021年は52%)を挙げた。▽社風が悪い(43%)▽上司が嫌い(38%)▽評価や承認がない(34%)ーーなども転職の理由として挙げられている。「今の会社で昇給すれば転職しない」と答えた従業員は43%だった(2021年は45%)。また、35%が「柔軟な働き方を提供する企業に転職する」(2021年は33%)としている。
(マレー・メイル、エッジ、4月5日、マレーシアン・リザーブ、4月4日)