定年61歳規定、商業銀行の労働協約に追加=銀行労組

【クアラルンプール】 全国銀行労働者組合(NUBE)のJ.ソロモン書記長は、先にマラヤ商業銀行協会(MCBA)と締結した労働協約(CA)に現在60歳となっている定年退職年齢を61歳に引き上げる新たな定年退職規定が盛り込まれたと公表した。


 ソロモン書記長は、定年引き上げについて事務職員など下から40%の低所得者層(B40)や中間層(M40)の退職後の貯蓄を増やすことを目指したものだと指摘。従業員積立基金(EPF)の預金額が不十分だったり退職後の他の収入が見込めない従業員からの要望に沿ったものだと説明し、あくまで定年延長の適用を受けるかどうかは従業員の健康が条件であり従業員の任意で決まると述べた。


 A.カルナ副書記長によると、NUBEは当初65歳定年を提案し、議論の末に63歳に引き下げたが、定年を60歳とする「1955年雇用法」の規定を理由に実現できなかった。このため労働協約が法律に優先することを理由に、労働協約に61歳定年を盛り込んだという。


 マイケル・タン議長は、商業銀行職員の退職年齢引き上げの決定は1955年雇用法の範囲内だと指摘。「労働協約がすべての当事者によって合意されている限り、雇用法で定められた基準を超えることは合法だ」と述べた上で、退職年齢引き上げには、労働者側から退職延長を申請し、重大な病状がないこと、違反行為がないことという2つの条件を満たす必要があると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、5月14日)