新卒者の初任給が高騰、技術系では5千リンギのケースも

【ジョージタウン】 企業の採用・人事担当者によると、生活費の高騰を受けて新卒者の初任給が新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大前と比べて約30%上昇しているという。
ペナンの宿泊・観光産業では新卒者の初任給が2,500リンギ以上、製造業ではエンジニアの初任給が4,000リンギ、多い場合では5,000リンギとなっている。
マレーシア・ホテル協会(MAH)ペナン支部のトニー・ゴー支部長は、給与が高くなっているのは観光業界の需給バランスによるものであり、現在の生活費の高騰を考慮したものと指摘。「パンデミック前に比べて給与は確実に高くなっている。 我々は彼ら(新卒者)に以前のように1,300から1,500リンギの基本給で働いてもらえるとは期待していない」と述べた。
ゴー氏によると、政府が昨年施行した最低賃金引き上げの影響ですべての職の給与が全般的に高くなっている。資格を備えた新卒者には、手当を除いて基本給として約2,500リンギが支払われている。
「ザ・スター」が業界調査結果として報じたところによると、首都圏クランバレーとジョホールバルでは新卒者の給与が約2,600から2,900リンギ、マラッカでは約2,400リンギとなっている。 ペナンの製造業を調査したところ、科学、技術、工学、数学 (STEM) の能力を備えた卒業生はより高い初任給を得ていることが分かった。
マレーシア半導体産業協会(MSIA)のウォン・シューハイ会長によると、ペナンの工場で働くSTEM卒業生は初任給として約3,500リンギ、集積回路の設計と開発に携わる場合には最大5,000リンギが支払われるという。
ペンタマスター・コーポレーション・グループのチュア・チュンビン会長は、現在のペナンにおけるSTEM卒業生の給与の中央値は約4,000リンギであり、これは昨年のペナンにおける海外直接投資(FDI)の急増によるものだと指摘。人材獲得の競争が激しいため、多国籍企業は熟練労働者や新卒者を引きつけるために給与提示額を引き上げていると述べた。
マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は「新卒者が高望みし過ぎており、企業が応じられなくなっている」と警鐘を鳴らした。
(ザ・スター、5月19、20日)