漸進的賃金制度の概要発表、来年6月にパイロットプログラム開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ラフィジ・ラムリ経済相は11月30日の下院議会に、政府が導入を予定している漸進的賃金制度に関する提案を盛り込んだ白書を提出した。初年度に行うパイロット・プログラムの実施期間については、2023年6ー9月を提案しており、中小企業を中心に1,000社の参加を見込んでいる。

 同白書では、プログラム参加対象を月給1,500ー4,999リンギのマレーシア人正規雇用者のみとすることを提案している。多国籍企業(MNC)や政府系企業(GLC)はすでに競争力にある賃金水準であるため対象から除外する。

 プログラムへの参加は任意だが、参加を希望する雇用主には金銭的インセンティブが与えられる。対象となる従業員をエントリー層と非エントリー層に分類し、報奨金としてエントリー層の従業員1人あたり月額最大200リンギ、非エントリー層の従業員は月額300リンギをそれぞれ12カ月を限度に支給する。報償金額は政府の財政状況に応じて、毎年改定される。

 参加する企業には適格な従業員を政府公認の職業訓練およびスキルアップコースに派遣することが求められ、労働者のスキルが向上し、生産性が向上したという証拠を提示する必要がある。一方、労働者は、給与の上昇に見合った、より質の高い生産的な仕事につながる職業訓練とスキルアップのために設定された条件を順守することが求められる。

 プログラムに参加する企業には、評価するためのスターランキングシステムを導入する。
▽推奨される年次増額分以上の給与が支払われている労働者の数
▽提案されている増額分よりどれだけ高いか
▽企業がプログラムに加入している期間
ーーの3つの基本要素で評価するほか、給与の最低賃金と最高賃金の差や、中間職と上位職で働く女性の比率に基づくボーナス査定も盛り込まれている。

 また同白書では同プログラムへの政府の拠出額の多少による3つのシナリオを提示しており、プログラム奨励金に20億リンギを割り当てた場合、105万人の労働者が恩恵を受けることになり、その結果、国内総生産(GDP)が33億リンギ増加すると試算している。また納税者が約3万7,000人増え、従業員積立基金(EPF)の積立額が7億9,000万リンギ、税収が18億リンギ増加するとしている。