バングラ労働者50万人受け入れ、労働組合会議が懸念

【クアラルンプール】 50万人ものバングラデシュ労働者の受け入れを許可するとの政府の決定について、マレーシア労働組合会議(MTUC)は、地元の雇用に影響が出るとして懸念を表明した。
 カマルル・バハリン・マンソル書記長は、バングラデシュ人労働者雇用を容認したのは労働需要を満たす必要のある産業界からの要請に基づいたものだとした上で、ただちに受け入れを停止して地元労働者の雇用に対する影響調査を行うよう要請した。
 カマルル・バハリン書記長によると、外国人労働者が一般労働者として雇われた後に地元労働者が担うべき運転手、現場監督、事務員などを行っているケースがあり、地元の雇用に与える影響が懸念される。また大量の受け入れに際しては、外国人労働者の宿舎などを検査する係官不足も懸念されるという。MTUCは2021年9月27日に政府と行った対話の中で、外国人労働者の受け入れを政府間で管理し、特定のセクターのみに限定するよう提言していた。
 カマルル・バハリン書記長は、2015年に今回と同様に150万人のバングラデシュ労働者の受け入れを決めた際にはMTUCは抗議し、地元労働者に職業訓練を施すことや地元労働者を引き付けるための賃上げを提案したと強調。しかし7年経っても政府は地元労働者の関心を引き付けることが出来ず、労働力不足を埋めることができないでいるとし、このままではマレーシアが外国人労働者に対する搾取や強制労働の温床となり、国際的に強制労働を容認している国とみなされることになって国家的損失になると指摘した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月13日)