2年に一度の最低賃金見直し、すでに検討に着手=人的資源相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 2年に一度の最低賃金引き上げについて、アワン・ハシム副人的資源相は、国家賃金協議評議会が最低賃金改定に関する各種調査を実施し、その結果について現在、分析・精査していると明らかにした。調査結果については、まず、国家賃金協議評議会内で議論された後、政府に提出され、検討および承認が行なわれる予定。
 具体的には、209の経営者団体、93の労働組合、4つの非政府組織から、最低賃金改定に関する意見聴取を実施。また、雇用者と従業員それぞれ1,996人に調査票を配布しての調査や、オンラインでの「2020年最低賃金令に関する国民意識調査」も行なった。オンライン調査の回答者は239人で、従業員177人(74.2%)、雇用者25人(10.5%)、その他37人(求職者など、15.7%)だった。
 一方、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のアブドル・ワヒド・オマル会長は、現在の月額最低賃金1,200リンギについて、政府には引き上げが可能だが、拙速に動くのではなく、企業が賃金改定計画を立てる時間を確保するため、継続的に改定を進めていくのがよいと述べた。そうすることで企業は自動化を進めるなど、業務プロセスを改善し、高付加価値の雇用を創出できる。同氏はまた、政府による最低賃金改定を待つのではなく、企業が率先して労働者に十分な報酬を提供することを望んでいると強調した。
 前回の最低賃金改定は2020年2月1日付けで行なわれ、全国一律で1,200リンギに引き上げられた。「2011年国家賃金評議会(NWCC)法」では最低賃金見直しは2年に一度行うことになっている。
 アワン副相はこのほか、失業率について、昨年第2四半期の5.1%から今年第2四半期には4.8%にまで低下したと発表。求人ポータルサイト「MYFutureJobs」の9月までのデータによると、157万4,327件の求人が掲載され、63万6,613人の求職者が仕事を探しており、そのうち21万7,356人が自分に適した仕事を見られたという。