内部告発者保護法を初適用、会社幹部を起訴

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア汚職摘発委員会(MACC)は、2010年に成立した内部告発者保護法に基づき、民間企業の上級幹部を起訴した。同法の適用を受けて会社幹部が起訴されるのは、法律が制定されて以来これが初めて。
 起訴されたのはエデュケーション・マレーシア・グローバル・サービシズ(EMGS)のワフィー・アブドル・アジズ副社長(35)で、自身が犯した不正行為をMACCに通報した従業員のシャヒヌディン・シャリフさんを報復のために解雇したとして、内部告発者に対する不利益な行動や脅迫を禁止する「2010年内部告発者保護法」第10条(3)(b)違反に問われた。有罪の場合、10万リンギ以下の罰金もしくは15年以下の禁固刑、またはその両方が科される。
 MACCは、「汚職行為を告発した情報提供者が不利益を被っている問題を非常に懸念している。今回の告発により情報提供者に対して心配無用というメッセージを発することを期待している」との声明を発表。MACCのアザム・バキ委員長は、「内部告発者保護法は、汚職行為や職権乱用を告発した内部告発者に対する民事訴訟、刑事訴訟、解雇を含む懲戒処分からの免責を規定している」と強調した。