サイムダービー農園、労働力不足の深刻化を予想

【クアラルンプール】 アブラヤシ農園のサイム・ダービー・プランテーションは、新型コロナウイルス「Covid-19」によって外国人労働者の入国が規制されていることから、2022年第1四半期には労働力不足が悪化すると予想している。
同社のモハマド・ヘルミー・オスマン・バシャ社長は、マレーシア・パーム油委員会(MPOB)が主催するセミナーの中で、「業界全体で7万ー7万5,000人分の労働力が不足しており、アブラヤシ果房の生産を20ー30%押し下げている」と指摘。外国人労働者がパーム油生産量に影響を与えるだけでなく、国家の税収にも影響を及ぼしているとし、自動化と機械化を進めマレーシア人の雇用を増やすことで外国人労働者依存を軽減する必要があると述べた。
サイム・ダービー・プランテーションは世界最大の農園面積を誇るパーム油農園業者で、2021年時点で従業員の75%が外国人労働者で占められている。
MPOBの経済産業開発部のファウジア・アルシャド氏は、マレーシアのパーム油産業を発展させていくための政策を立案し実施していくべきだと指摘。パーム油輸出は生産量の90%に達しているものの加工パーム油とパーム原油の輸出比率は低下しているとし、こうした状況が続けば川下産業の成長が見込めないとした。
(ベルナマ通信、ロイター、1月13日)