早期退職及び解雇に関するQ&A

マレーシアの日系企業の皆様より最近弊社に頂いたご質問の中から、早期退職及び解雇に関するものと、弊社の見解をご紹介致します。

従業員の早期退職ついて

弊社スタッフ(マネージャー、給料MYR10,000/月)より退職願を受け、会社として正式に受理した。

退職理由:
*会社の方針に不満があり、これ以上続けられない
*2ヶ月くらい前から個人で事業を行う準備を進めており、ある程度目処が立ったので辞職したい
*個人事業の1つに弊社顧客と一緒に事業を行う計画もあり

会社として、彼の仕事内容は給与レベルに見合っておらず、今後も改善させるのが難しいと考えていたので、 今回の退職願は会社としてメリットが大きいと判断し、退職願を受理した。
会社の就業規則に、管理職の場合、退職願受理後3ヶ月間勤務をする事を規定しているが、 会社に不満があり、加えて個人事業を開始しているスタッフを3ヶ月も会社に勤務させる事にメリットはなく、 加えて給料を3ヶ月も払い続けることに抵抗があり、早めに退職をさせてたいと考えている。

しかし、本人も会社の規定は知っているので、向こう3ヶ月は会社に勤務可能(給料をもらえる)と考えており、 本人から
*まだ個人事業が完全に軌道に乗っていないので3ヶ月分の給料は当てにしている
*逆に3ヶ月以内に事業が軌道に乗れば退職時期を前倒ししてもらう可能性も有
とのコメントもあった。
会社の意向は、スタッフをいかに早期に・今後の給料支払いを抑えて退職させられるか、である。

弊社見解

当人の給与がRM10,000/月 の場合、雇用法1955 (Employment Act 1955) ではなく、御社との雇用契約が適用されます。
よって、御社の就業規則に「退職願受理後に3ヶ月勤務」と規定されている場合、当人の同意無く、早めに退職 (雇用契約を終了) をさせる事は不可能です。また、当人の同意無く雇用契約を終了させた場合、不当解雇にあたります。
但し、当人側に 「雇用契約破棄 又は 違反にあたる行為」 等、退職時期の前倒しを検討出来うる事由が別にある場合、その限りではございません。

業務成績が悪い又は能力不足の社員の解雇について

長年勤務しているが、パフォーマンスが良くない社員を解雇するにはどうしたら良いか。

弊社見解

以下の流れに沿って対応する。
*勤務評価時に面談を行う
*評価について本人に説明し、納得 (サイン) をさせる
*サインをしない社員には客観的な資料を提示して説得する事を試みる ※試みたという事実が必要
*それでも納得しない場合、理由呈示命令書(Show Cause Letter)を発行
但し、勤続年数の長い社員を直近の成績不良で解雇する事はかなり難しい事を理解しておいて下さい。

勤務態度が悪い従業員の解雇について

勤続11年の女性社員 (Junior Executive) が休みを取り過ぎる(有給・病欠以外に年間17日無給休暇を取る)。勤務態度が悪いのでどんな対処が可能か。既に昇給なし、ボーナスなしと給与面でペナルティは課している。
また、社員の勤務態度が変わらない場合、解雇を目指すことになるが、その時の注意事項等はあるか。
どうしても解雇させたい場合、どのような手順で臨めば良いか。

弊社見解

以下の流れに沿って対応する。
*年間17日の無給休暇だけでは病気やケガを理由にした契約解除 (Medical Board Out) は難しい為、業務に支障をきたしているとして配置転換の提案をする
*Junior Executiveの役職にふさわしくないとして降格・減給を提案する(過去の労働裁判の判例では、客観的な事実があれば本人の承諾なしで降格・減給が出来たケース有)
*直属の上司に逆らう等、態度に問題がある時は警告書 (ワーニングレター) を出し、記録しておく

勤務評価不良で解雇する場合に会社が証明しなければならない3つのポイント
①成績不良であることに対して警告をしたと言う事実
②警告した後に改善の為の猶予期間を与えたと言う事実
③警告をして改善の為の猶予期間を与えたが、改善しなかったと言う事実
※警告書を何回か発行し、最終的に 理由呈示命令書(Show Cause Letter)を発行、または査問委員会(Domestic Inquiry)を開催し解雇する方法が一般的です。
但し、勤続年数の長い社員を直近の成績不良で解雇する事はかなり難しい事を理解しておいて下さい。

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