E&E企業の多くが高い離職率や人材不足に苦悩=半導体協会

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア半導体産業協会(MSIA)は21日、今回が初回実施となる「2022年MSIA E&E(電子・電気)調査」の結果を発表。世界経済の減速が予想されているにもかかわらず、マレーシアのE&E企業の80%は人材不足と高い離職率に対応するため引き続き採用に注力していることが分かった。


 同調査はMSIAの依頼でデロイト・マレーシアが会員企業を対象に実施したもので、E&E企業93社から回答を得た。調査期間は2022年2月から6月で、2022年12月に再調査が行われた。
 2023年の見通しは引き続き軟調であり、調査対象のE&E企業の50%が受注減を予想しているが、半導体製品の多様性による受注増を予想している企業も25%に上った。 .また65%は設備投資を計画通りに進めていることが分かった。


 2022年にE&E企業が注力した分野として最も回答率が高かったのは「雇用」(29%)で、これに「デジタル化&IR4.0」(26%)、「サプライチェーン混乱への対応」(25%)が続いた。2023年については「グローバル経済の逆風への対応」(21%)が最も高く、これに「受注(売上など)」及び「雇用」(共に20%)が続いた。


 依然として注力分野となっている雇用については、44%が「増やす」と回答。37%が「現状維持」と答え、「減らす」は19%にとどまった。


 離職率予想については、「20%以上」が33%と最も高く、「10―20%」も24%に上った。人材不足が深刻な職種としては、「エンジニア」(65%)が大差をつけてトップとなり、これに「技術者」及び「オペレーター」(共に11%)が続いた。


 また47%が「ビジネスを行う上で、人材確保が足枷になっている」と指摘。人材不足の影響については、35%が「事業収益と投資の減少」、14%が「新規プロジェクトと新製品の機会喪失」を挙げた。
 2022年におけるE&E業界の従業員数は18万7,000人で、人件費は140億リンギ。平均月給は6,450リンギで、マレーシアの平均給与(3,037リンギ)の2倍となっている。しかし上級学位を取得している従業員は560人ほどで全体の0.3%に過ぎず、今後更に成長する可能性を示唆している。