賃金を段階的に引き上げる制度の導入を検討=ラフィジ経済相

 【クアラルンプール】 政府は、従業員の賃金を段階的に引き上げる「漸進的賃金制度」の導入を検討している。ラフィジ・ラムリ経済相が9日、英国・マレーシア・クリーン成長ハンドブックの発刊式で明らかにした。


 第12次マレーシア5カ年計画(対象期間2021ー25年)では企業収益に対する社員賃金総額の割合を高めることを目指しており、これに沿った措置だ。


 財務、投資貿易産業、人的資源の各省の協力を得ながら、経済省が中心になって議論の場を設け、検討を開始するという。


 ラフィジ氏は「制度は持続可能なものでなければならない。賃金は会社の能力に応じ上昇すべきで、会社に悪影響を与えるものであってはならない」と述べた。


 シンガポールでは昨年、小売業で働く国民を対象に、漸進的賃金モデルの導入を雇用主に義務付けている。
 ハンドブックについてチャールズ・ヘイ在マレーシア英国高等弁務官は、クリーンで持続可能な成長という重要課題に有用な指針となることを期待していると述べた。
(ザ・サン、5月10日、ベルナマ通信、5月9日)