漸進的賃金制度の導入には全体的な事前調査が必要=FMM

【クアラルンプール】 マレーシア製造業者連盟(FMM)は、連邦政府が計画している漸進的賃金制度の導入について、実施メカニズムや影響に関する全体的な事前調査が必要であると指摘した。
FMMのソー・ティエンライ会長は、賃金に関わる法律はいかなるものであっても、単独かつ拙速に策定されてはならないとし、全部門を対象とした包括的な制度を実施する前に、あらゆる利害関係者からの意見を聴取し、現行の賃金制度の実態を理解する必要があると述べた。
ソー会長は、漸進的賃金制度については、産業部門ごとに独自の特殊性や実施プロセスがあるため、単一の制度を全部門にあてはめるのは難しいとし、また、生産性の向上なく単に賃金をアップさせるのは産業界をコスト増により疲弊させるだけだと指摘。賃金の上昇は生産性の向上に見合ったものでなければならず、多くの企業では、従業員がスキルを習得し、職務経験を積むことで、昇給する資格を得ることができる給与体系を設けていると述べた。
漸進的賃金制度は低賃金解消のために毎年給与を引き上げていく制度で、シンガポールでの導入が進んでいる。マレーシアでも、ラフィジ・ラムリ経済相が5月に導入を検討していると明らかにし、今月11日には毎年の給与引き上げを義務化する可能性も示唆していた。
(エッジ、7月17日)