最低賃金の見直し、現在70%完了=人的資源相

【クアラルンプール】 V.シバクマル人的資源相は、2日の下院議会質疑の中で、国家賃金諮問評議会を通じて2年に一度の最低賃金命令の見直しを行っていると明らかにした。直近の最低賃金命令は2022年5月1日に施行されたもので、5人以上の労働者を抱える雇用主の場合、地域性に関係なく全てのセクターで月額最低賃金が一律1,500リンギと定められた。
シバクマル氏は、「最低賃金命令の見直しは、2011年国家賃金諮問委員会法に従って2年間隔で行われることになっており、再評価は国の経済成長と国民の生活費の変化に基づいて行われる」と説明。貧困ライン収入、雇用者の賃金支払い能力を反映する賃金の中央値、失業率、労働生産性、生活コストを反映する消費者物価指数といった社会経済指標を考慮し、現在70%が完了していると述べた。
またシバクマル氏は、半熟練労働者が低熟練労働者とほぼ同じ給与を受け取っていることがデータで示されているとした上で、政府による労働市場への介入は、圧迫されている中間所得層の労働者に焦点を当てて実施されるべきとの考えを示した。
財務省が発表した2024年経済見通しによると、半熟練労働者の月給中央値は1,817リンギであるのに対し、低熟練労働者は1,635リンギと接近している。マレーシア統計局(DOSM)の昨年の報告書によると、合計1,540万人の労働者のうち半熟練労働者の占める割合が58%と最も高く、30%が熟練労働者、残りの12%が低技能労働者だった。
このほかシバクマル氏は、政府が導入準備を進めている漸進的賃金モデル(PWM)に言及、最低賃金や生産性連動賃金制度(PLWS)を補完するものになるとし、「PLWS導入により賃金上昇と生産性向上、業績向上が確実に両立するようになる。従業員は生産性とパフォーマンスの向上に基づいて公平に賃金分配を得ることができる」と述べた。
シバクマル氏によると、9月の時点で9万8,119人の雇用主がPLWSを導入し、あらゆる雇用レベルの590万人の従業員に恩恵をもたらしているという。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、11月2日)