マレーシアの来年の実質賃金上昇率予想は2.3%=ECA調査

【クアラルンプール】 英系人材調査会社、ECAインターナショナル(ECA)の最新給与動向リポートによると、名目賃金伸び率からインフレ率を差し引いたマレーシアの実質賃金上昇率は2023年には2.1%となり、2024年については2.3%と予想されている。
同リポートでは、他のアジア太平洋諸国と同様にマレーシアの賃金上昇率が新型コロナ・パンデミック中に低下したが、現在はパンデミック前の水準に戻り、来年もその上昇水準を維持すると予想されていると指摘。ECAアジア担当ゼネラルマネジャーのマーク・ハリソン氏は、「マレーシアのインフレ率は過去3年間でパンデミック前よりも高くなっているが、世界の他の地域に比べれば依然としてかなり低いため、被雇用者は実質的に昨年よりも若干の改善を感じているはずで、 来年はさらなる改善が見込まれる」と述べた。
アジア太平洋地域でみると、2023年の実質賃金上昇率の平均は1.8%で、2024年の平均予想は2.2%となっている。東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の実質賃金上昇率はベトナムが3.6%でトップで、タイは3.5%、カンボジアは3.2%、インドネシアは2.9%、フィリピンはマイナス0.3%となった。また来年予想のトップはインドネシアの4.3%で、ベトナムは3.6%、タイは2.5%、フィリピンは2.3%、カンボジアは2.2%となっている。
(マレーシアン・リザーブ、11月9日、ECA発表資料)