第2四半期の求人数、前期比16%増=JACリクルートメント

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ジェイエイシー(JAC)リクルートメントは26日、2021年4—6月の「アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向」を発表した。マレーシアの求人数は前年同期に比べ2.3倍となった。前期比でも16%増加し、採用意欲が大幅に戻ってきていることが伺えた。
ウィズコロナやコロナ後を見据えた採用計画を進めた企業が増え、特に外資系企業の採用意欲の高まりが顕著だった。日系企業の求人数も、前年同期比で増加したものの、コロナ前の2019年の同四半期と比較すると求人数は減少、外資系企業と比較し慎重な採用活動の動きが見られた。
業種別では、業務委託(BPO)、SSC(シェアードサービスセンター)/GBS(グローバルビジネスサービス)やIT関連、物流やサプライチェーンの人材の需要が高く、特にICT/IT関連の求人数は、通信機器大手、ペイメント(決済)ソリューション、総合ITサービス、地場コングロマリットなどを中心に活発で、2019年同四半期比では2倍強増加した。
しかし6月1日からレベルの厳しい行動制限令(MCO)が再度発出され、必須サービス以外の経済活動は大きく制限されている。そのため、2割前後の企業が採用凍結や雇用時期の延期などの措置を取っている。長引くMCOにより、企業の求人意欲は先行き不透明であり、JACは国家回復計画の遂行状況を注視していく必要があるとした。
求職者の動向としては、全体的に候補者の転職意欲に大きな変化はなく、転職を希望する候補者は例年同水準となっている。特に、ICT/IT関連の求人数が増加しているため、候補者の売り手市場が続いている。長引くMCOにより、事業閉鎖や給与カットを余儀なくされている企業もあり、転職希望者が従来に増して活動をしている。日本人候補者の登録者数は例年並みだが、ビザの発給手続きの遅滞が続いており、予定通りマレーシアに渡航できないケースや、マレーシア国内で転職をする外国人の就労ビザについても、当局の手続きの遅延が多くみられる。そのためJACは、日本人の採用を検討する際は、従来よりも2ー3ヵ月長期化することを見込んだ採用活動を行うべきとの見解を示した。

マレーシアでの雇用・労務関連の最新情報 ブログ更新情報をお届け

更新情報を購読