馬・米両国、強制労働問題解決のための委員会を設置へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 訪米中のM.サラバナン人的資源相は13日、マレーシア・米国間で強制労働問題解決に向けた委員会を設置することに合意したと発表した。
米国税関・国境警備局(CBP)を通じて設立される作業委員会では、強制労働撲滅に向けた政策などをテーマとし、3カ月ごとに会合を開き情報交換を行なう。また、CBPは今月末にマレーシアを訪問し、業界関係者との間でワークショップを開催する。業界関係者が避けるべき強制労働関連事項を明らかにし、米国への輸出禁止を防ぐという。
サラバナン大臣は、今回の訪米により強制労働撲滅に向けた二国間協力の機会とともに、強制労働や児童労働の問題に対するマレーシアの取り組みへの理解も得られたと強調。CBPのアンマリー・ハイスミス上級補佐官および米国労働省のテア・リー国際問題担当副次官と会談し、身分証明書の保持、過剰残業、賃金の源泉徴収など、国際労働機関(ILO)による強制労働指標ほぼすべてに対応する人的資源省の取り組みについて説明したという。米国労働省との間では、技術移転、能力開発、実習プログラムに関する専門知識を共有することに合意したと述べた。また、米国労働省はマレーシアに対し、労働組合の重要性について労働者に説明するよう提案。7月に議会に提出される予定の「1959年労働組合法」改正案で実現されるとした。
ズライダ・カマルディン農園・一次産業相は、作業委員会の設立に対し、パーム油や天然ゴム業界の問題を解決するための正しい動きであると歓迎。非政府組織(NGO)などの団体による一方的かつ未検証の主張により、国内企業を苦しめてきた長年の懸案を解決するための第一歩であるとし、パンデミック後の国内経済回復に大きく貢献した産業が誤解を招く主張から保護されるよう、政府は引き続き配慮していくと述べた。