熟練労働者の日本派遣計画に懸念=製造業者連盟

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア製造業者連盟(FMM)のソー・ティエンライ会長は、先ごろマ・日両国がマレーシア人熟練労働者の派遣に繋がる協力覚書を取り交わしたことに言及。国内の熟練労働力不足に影響を及ぼしかねないと懸念を表明した。
 ソー会長は、日本への潜在的な技能労働者派遣に関する事前の協議もなく詳細も知らされていなかったとした上で、人的資源省に対して両国が締結した協力覚書に関する詳しい情報の開示を要求。「現在、マレーシアは人手不足、特に熟練労働者の深刻な不足に直面しており、それが国の景気回復を妨げている。労働力不足は業務の停滞や生産不足を引き起こしている」とし、生産不足がインフレ圧力につながると懸念を表明した。
 先ごろ訪日したM.サラバナン人的資源相と古川禎久法務相が締結した協力覚書は、両国が一定の専門性・技能を有する人材(特定技能外国人)の円滑かつ適正な送出し・受入れの確保(特に、悪質な仲介機関の排除)および特定技能外国人の日本国での在留に関する問題の解決等のための情報連携及び協議の基本的枠組みを定めたもの。これを受けてサラバナン大臣は、熟練労働者の日本派遣に向けた合同委員会を設立すると発表していた。