日本へ派遣するのは熟練ではなく未熟練労働者=人的資源相

【クアラルンプール】 M.サラバナン人的資源相は、先ごろ日本との間で締結した、マレーシア人労働者の日本への派遣に関する協力覚書に関して、熟練労働者ではなく、未熟練労働者を日本に派遣し、技術力をあげることで、国の発展に寄与できると説明した。
マレーシア製造業者連盟(FMM)のソー・ティエンライ会長が、熟練労働者の日本派遣計画に懸念を表明したことを受けてサラバナン大臣は、未熟練労働者を日本に派遣し、5年後に熟練労働者となって帰国してもらうと説明。帰国後には、マレーシアに進出している日本の大企業で働ける上、日本で訓練を受けた熟練労働者が増えることで、より多くの日本企業がマレーシアに進出するきっかけとなるとの見解を示した。
ソー・ティエンライ会長は、「熟練労働者の派遣で国内の熟練労働力不足が悪化するのではないか。マレーシアは人手不足、特に熟練労働者の深刻な不足に直面しており、それが国の景気回復を妨げている。労働力不足は業務の停滞や生産不足を引き起こしている」とし、生産不足がインフレ圧力につながると懸念を表明。マレーシア人労働者の日本への派遣について、事前の協議もなく詳細も知らされていなかったとした上で、人的資源省に対して詳しい情報の開示を要求していた。
(ザ・スター、6月4日)