新たな最低賃金、いまだ一部企業が準拠せず=MTUC

   

【クアラルンプール】 マレーシア労働組合会議(MTUC)は、5月1日付けで発効した新たな最低賃金について、いまだに一部の企業が従っていないと指摘している。最低賃金は従業員数が5人以上の企業を対象にそれまでの1,200リンギから1,500リンギに引き上げられた。
 MTUCのエフェンディ・アブドル・ガニ会長は、政府が設定した最低賃金の基準が明確であるにもかかわらず、一部の企業はいまだそれを順守していないと指摘。そうした問題について組合員から苦情を受けているとした。


 雇用者が表向きに1,500リンギの基準を満たすため、それまで支払っていた固定諸手当を削減してその分を基本給に加えているといった苦情がMTUCに上がっている。エフェンディ会長は、明らかに労働者の権利の侵害であり、人的資源省が法的措置をとる必要があるとしている。
 一方、マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックの環境下で経営上の苦境に置かれたにもかかわらず、ほとんどの企業が最低賃金規則を順守するための措置を講じたとした上で、一部では順守出来なかった雇用者もいると認めた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月26日)