観光業界、労働力不足で回復に遅れ

【クアラルンプール】 観光業界は回復傾向にあるが、依然として人材不足の問題に直面しており、業界関係者は、政府による支援を望んでいる。
マレーシア・ホテル協会のクリスティーナ・トー会長は、観光業界では以前より労働力不足が続いていたが、新型コロナの感染拡大により状況が大きく悪化し、全国のホテル経営者は、昇給や福利厚生の充実を行っても仕事量に相応する労働力を確保できず、現在20%のスタッフが不足している状態だと言明。清掃スタッフだけでなく、フロントスタッフやレストランのシェフも不足しているとし、ホテルやバー、レストランで働く人材が不足するとサービスの供給を制限せざるを得ず、レストランのメニュー縮小や臨時休業につながっていると述べた。また、3月以降に予想される観光客増加に対応するための解決策を検討しており、政府による外国人労働者採用条件の緩和を望んでいるものの、ホテル業界の完全回復にはあと2年は必要だと述べた。
一方、マレー半島ツアーバス・オペレーター協会のスティーブン・チョン会長は、ツアーバス会社は依然として運転手の確保が難しい状況だが、旅行代理店は運転手を高給で雇用することをためらっていると述べた。債権者に差し押さえられた約6,000台のバスについては融資返済が開始されているものの、現在走行しているツアーバスは3,000台で、パンデミック前に比べると明らかに少ないという。チョン会長は、バスの修理やメンテナンスには1万5,000ー2万リンギの費用が必要なため、修理費用に対する補助を政府に要請しているとした。
マレーシア華人観光協会のポール・ポー会長は、大手旅行会社では、以前は月に100以上のインバウンドツアーを扱っていたが、現在は月に8ー10ツアーしか扱っていないと述べた。さらに、営業コストが20%増加しており、インバウンドツアーが急増しない限り、今はドライバーに低い給料しか出せないと述べた。
マレーシア観光ガイド協会副会長のリム・バム・スン氏も、多くのツアーガイドがフルタイム勤務を再開することに消極的であり、まだ不確定要素が多いためパートタイムで働くことを希望していると述べた。ツアーガイドの大半はライセンスを更新しているが、その多くは他業界で別の安定した仕事を見つけているという。
(ザ・スター、2月18日)