最低賃金1500リンギ、未だ5万人が享受できず=MTUC

【クアラルンプール】 マレーシア労働組合会議(MTUC)は、昨年5月に1,500リンギに引き上げられてから約1年が経過するが、全国の5万人以上の労働者が未だに新最低賃金を適用されていないと主張している。
カマルル・バハリン・マンソル書記長は、最大の原因は清掃業やサービス業など、政府から契約を貰っている企業だと主張。これらの企業が「政府がまだ契約見直しを行っていないため、賃金を引き上げられない」という理由をつけて最低賃金を順守していないと述べた。こうした企業は、従来の契約に基づき以前の最低賃金である1,200リンギしか支払う能力がないと主張しているという。
カマルル書記長は、前回の最低賃金引き上げの際にも雇用主が最低賃金を守らなかったり、そのまま行方不明になり踏み倒す事例があったとした上で、政府から契約を獲得している企業は大手が多いため逃げ続けることは出来ないとして政府に対しこうした違反企業に対して法的措置を講じるよう求めた。
それまで1,200リンギだった最低賃金は昨年5月1日付けで1,500リンギに引き上げられたが、従業員5人未満の零細企業については、影響を考慮して引き上げを2023年7月1日まで猶予されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月5日)