企業の給与予算は5%増額の見込み=WTW

【クアラルンプール】 人材、 リスク、資産管理の英系WTW(ウイリス・タワーズワトソン)によると、マレーシア企業は、今年の給与予算を5%増額することが予想されている。南アジア・東南アジア諸国連合(ASEAN)・マレーシア地域の業務報酬事業責任者のタン・ジュアンジム氏が国営「ベルナマ通信」に明らかにした。
2022年の給与計画リポートによると、マレーシア企業は給与の最適化や調整などを行い、給与予算を増額し、世界的な給与予算の傾向に積極的に合わせようとしている。労働力不足解決のため、給与体系を変更するなど様々な取り組みを行っており、一部の企業ではより頻繁に昇級を行うなど、人材を維持するために年2回の昇給も検討している企業もある。特にITスキルを持った人材の需要が高く、マレーシア企業では71%がデジタル人材の維持と確保に問題を抱えているという。
WTWマレーシアの報酬・データインテリジェンスのアソシエート・ディレクターのマイケル・ン氏は、人材の維持、確保のため企業は給与を引き上げに踏み込むだろうが、給与上昇が5%だったとしても、インフレ率が4%上昇することが見込まれることから、実質賃金は1%しか上昇しないと指摘。また、最新の給与データでは企業は、特にデジタル、製造、エンジニアリング分野での人材確保に苦戦しており、人材維持、確保に向けて、給与引き上げ以外の対策として、60%以上の企業が柔軟性を高めるなど財政負担がない形での対策を実施しているとした。
(ザ・サン、5月8日)