ペラ州で労働力不足が深刻化、製造業・建設業・農業・宿泊で

【イポー】 マレーシア・マレー商工会議所ペラ州支部のカマルラフィー・アハマド支部長は、地元民がやりたがらないなどの理由で様々なセクターで労働者不足が生産性に影響を与えていると指摘。特に製造業、建設業、農業、宿泊部門では外国人労働者が必要とされており、雇用主も外国人労働者を好んでいると述べた。


 カマルラフィー氏は「(労働力不足で)最も影響を受けているのは建設業だ。 地元住民は炎天下や重機を使って働くことをあまり好まないため、この建設セクターの労働者のほとんどは外国人だ」と指摘。「日当100リンギ以上のオファーがあるにもかかわらず、地元の労働者は依然として建設現場に加わることに消極的だ」と述べた。一方で外国人労働者については「より良い給与が提示されれば、現在の職場を辞めて別の職場に転職する人もいる」とした。


 その上でカマルラフィー氏は、多くの企業が雇用拡大に前向きであり、雇用規制が緩和されることを期待していると言明。建設現場の労働者のほとんどがインドネシア人だが、重労働に耐えられるバングラデシュ人や経験豊富なパキスタン人労働者を雇用する業者もいるとした上で、「行動制限令(MCO)の段階に比べて現在はより多くの労働者を確保しているがまだ十分ではない。これ(労働力不足)が起こると、プロジェクトの完了までにさらに時間がかかり、苦しむのは雇用主だ」とした。


 マレーシア・ホテル協会ペラ州支部のムハマド・ハイリル・ハラダス評議員は、宿泊業もより多くの労働者を必要としていると指摘。宿泊業界で外国人労働者はハウスキーパーの仕事をすることが多いが、非常に優秀な外国人労働者がいても、就労許可と契約の更新は毎月行わなければならず、負担になっていると述べた。


 ペラ州農業協同組合のゼネラルマネジャー、モハマド・シャクラン氏は、農業でも同じことが起こっているとした上で、「会員のほとんどはアブラヤシやゴム栽培を行っており、労働者の95%は外国人だが人手不足が経営に影響を与えているという苦情を多く受けている」と言明。地元民を雇おうとしてもほとんどの人が関心をもたなかったとし、「農業では外国人労働者に依存しているため、より多くの外国人労働者を受け入れるプロセスを促進するための方策が必要」と述べた。


 ペラ・ビジネス・ネットワーク・インターナショナルのシニア・ディレクター・コンサルタント、チン・カンウェイ氏は、多くの製造業が労働者不足により深刻な影響を受けているとした上で「ペラ州の多くの製造業者は、面倒な規則や規制のせいで外国人労働者確保の問題を抱えている。従業員不足のため、会員の中には注文が減っている業者もいる」と述べた。
(ザ・スター、6月1日)