労組設立制限撤廃含む改正法の可決、既存労組から批判の声

【ペタリンジャヤ】 労働組合設立の制限撤廃などを盛り込んだ「1959年労働組合法」改正案が下院議会で可決したことを受け、既存の労働組合からは、組合側からの反対意見が反映されなかったとして批判の声が上がっている。


 改正により、第15条第2項が削除され、あらゆる産業、職業、または業種における複数の労働組合の設立が許可されることになる。V.シバクマル人的資源相によると、制限撤廃により国内の労働組合の数は800に増加し、組合員数が5万人ー10万人増加すると予想されるという。
 組合数の増加に反対していた複数の既存組合が組織する「反・労働組合多数化連合」(Camu) は、徹底的な議論が行われないまま下院議会で可決したことに失望したとの声明を発表した。Camuには、銀行員労働組合(NUBE)、マラヤ鉄道労働者組合(RUM)、全マラヤン農園労働組合(Amesu)が加入している。


 Camuのルディ・ルスリー会長は、一つの職場で複数の労働組合を結成することができるようになることの問題点について、一部の国会議員や政治指導者、上下両院議長に陳情したほか、閣僚や政府高官らとの対話を通じて人的資源省にもフィードバックしてきたが、法案可決後に生じる悪影響は完全に無視されたと述べた。


 マレーシア客室乗務員労働組合(Nufam)は、組合の乱立が組合間の対立や無責任な労働組合主義の危険をはらんでいると懸念を示した上で、「人的資源省は混乱を引き起こすのではなく、雇用を守ることで労働者を支援すべき」と指摘した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月10、11日)