最低賃金引き上げ、「雇用者側の賛同が必要」=首相

【クアラルンプール】 年内実施の方向で調整が進められている最低賃金の1,500リンギへの引き上げについて、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、雇用主からの賛同がなければならないと言明。雇用者側との話し合いを続けていきたい考えを示した。
 イスマイル首相は、最低賃金を1,500リンギに引き上げられればそれがベストだが、引き上げる余裕のある企業もある一方で中小企業のように余裕のない企業もある点に考慮する必要がある、と指摘。引き上げられない企業は従業員を減らすことになり、結果的に失業率を増やすことになると懸念を示し、労使双方にとってメリットのある状況とするために包括的に取り組む必要があると述べた。
 その上で1,500リンギへの引き上げを提案している人的資源省に対して、最低賃金問題に雇用者を関与させることを命じていることを公表。全ての利害関係者との話し合いをもった上で人的資源省が改めて閣議に再提案を行うことになると述べた。
 現在1,200リンギとなっている最低賃金を1,500リンギに引き上げる案は国家賃金評議会(NWCC)が答申したもので、マレーシア経営者連盟(MEF)やマレーシア中小企業協会(Samenta)などは急激な引き上げが新型コロナウイルス「Covid-19」からの回復の途にある企業にとってダメージになると反発している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月20日、エッジ、2月19日)