「最低賃金は2000リンギ以上であるべき」専門家ら指摘

【ペタリンジャヤ】 経済専門家は、現在の経済情勢において基本的な生活費を賄うためには最低賃金が少なくとも月額2,000リンギであるべきだと指摘している。最低賃金は今年見直しが発表されることになっている。

 ウィリアムズ・ビジネス・コンサルタンシーの創設者である経済学者のジェフリー・ウィリアムズ氏は、2年前の前回引き上げ以降のインフレ率に基づくと、新しい最低賃金は1,600リンギ程度になる計算だが、従業員年金基金 (EPF)、社会保障機構 (SOCSO)、雇用保険制度(EIS)の拠出金負担を考慮すると手取額が貧困ラインを下回ってしまうので低すぎると指摘。2,000リンギが基準となっている公務員の最低賃金など、他の考慮事項も考慮することが重要だと述べた。

 またウィリアム氏は、漸進的賃金制度の試験導入で最低賃金として設定された1,810リンギも低すぎると指摘。「中央銀行バンク・ネガラは2018年の生活賃金を都市部で2,700リンギと見積もっているが、インフレを考慮すると現在は3,000リンギを超えている」とし、「理想的には月額2,500リンギから3,000リンギを目指す必要がある」と述べた。

 ただ大幅な引き上げには雇用主からの反発が予想されるとし、「簡単な解決策はすべての制限を取り除き、従業員1人当たり200リンギまたは300リンギという漸進的賃金モデルの奨励金額を、内国歳入庁と世帯社会経済データベース(パドゥ)を通じて直接従業員に支払うことだ」と指摘した。

 現在1,500リンギとなっている最低賃金については、マレーシア労働組合会議(MTUC)は生活必需品やサービスの価格上昇により十分ではないと主張しており、経済学者のニック・マヘラン・ニック・ムハンマド教授なども同意している。

 マレーシア社会党(PSM)のS・アルチェルヴァン副議長も、「現政権は公務員の最低賃金が2,000リンギになるとし、アンワル首相も民間部門にそれに従うよう求めた。したがって最低賃金の基準は2,000リンギであるべき」と述べた。

 一方、マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、民間の最低賃金引き上げにおいては実行可能性が最も重要な基準であると指摘。「新たな最低賃金が高水準に設定されても、雇用主が実施できずに事業継続を断念した場合にはさらに望ましくない事態となる」と警告した。

(ザ・スター、8月14日)