最低賃金は段階的な引き上げを、業界団体が意見表明

【ペタリンジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相が5月1日付けで最低賃金を1,500リンギに引き上げると発表したことに対し、産業界からは5月1日からの一律引き上げではなく、段階的な引き上げを求める声が上がっている。
 マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、突然の引き上げは、パンデミックや昨年の洪水で打撃を受け、再建途上にある企業にさらなる打撃を与えるとし、拙速で実施するのではなく、関係各所と詳細について詰めた後に進めるべきだと言明。24日の国家賃金諮問委員会での議論の前に詳細について発表するのは時期尚早だと述べた。
 中小企業協会(SAMENTA)のヨー・センフーイ書記長は、中小企業は現在、材料費の高騰、サプライチェーンの混乱、インフレ圧力、世界経済の不確実性といった難題の嵐に直面しており、ロックダウンによる打撃も残っていることから、零細企業は引き上げを1年間免除した上で来年5月1日から実施、中小企業は5月1日から1,350リンギ、翌年に1,500リンギといった段階を踏んでの引き上げを提案すると述べた。
 マレーシア半導体産業協会(MSIA)も、最低賃金の引き上げは今後3年間にわたり、より緩やかに行うよう政府に求めている。今回の賃上げは基本給の25%に相当する大幅な増加となるため、電気・電子(E&E)企業は、競争力を維持するために賃金体系を調整し、生産性を向上させるための十分な時間がないとした。
 楽天トレードのエクイティー・セールス部門責任者のビンセント・ラオ氏は、最低賃金の引き上げによってゴム手袋メーカーや電子機器製造業などの労働集約型産業が打撃を受けると指摘。コスト圧力が強まることにより、非上場企業や家族経営の中小企業が最も大きな影響を受けると予想している。
(ザ・サン、ザ・スター、3月22日)