雇用法改正、月給2千リンギ以下の適用規定維持に疑問の声

【クアラルンプール】 「1995年雇用法」改正案が下院議会で可決したが、出産休暇の拡大や男性の育児休暇が盛り込まれたことを評価する声がある一方、同法の適用範囲の見直しが盛り込まれなかったことの問題を指摘する声が上がっている。
 シンクタンク、ガレン保健社会政策センターのアズルル・モハマド・カリブ最高責任者(CEO)は、同法の対象となっている「被雇用者」の定義を月給2,000リンギ以下とする条項が修正されていない点を指摘。産休規定の見直しや男性の育児休暇が盛り込まれても月給2,000リンギ以上の従業員は法的には恩恵を受けられないことになるとし、こうした法運用に関して大臣命令に頼るのではなくそもそも法案を再審議してこうした細かい問題点を解決すべきだったと述べた。
 民主行動党(DAP)のチャールズ・サンチアゴ議員は、月給2,000リンギ以下とする条項の撤廃については2018年に出された改正案には盛り込まれていたが、その後削除されたと指摘。2020年時点での一人当たりの月収の中央値が2,062リンギとなっていることからみて、賃金労働者の半数しか同法の適用を受けないことになると指摘した。
(マレー・メイル、3月22日、フリー・マレーシア・トゥデー、3月21日)