最低賃金大幅引き上げはインフレ引き起こす=小売業者協会

【クアラルンプール】 マレーシア小売業者協会(MRA)は、5月1日付けで1,500リンギに引き上げられる予定の最低賃金について、一度に25%も引き上げることは人件費コストを増大させ、ひいてはインフレにつながる恐れがあるとして段階的に行うよう求めた。
MRAは、賃金上昇については売り上げ増や生産性の向上と一致する必要があり、生産性向上なしに賃金のみを引き上げた場合の影響についてさらに突っ込んだ分析を行う必要があると指摘。最低賃金の大幅引き上げによる人件費の増大は営業経費の大幅な増加を招き最終的にインフレにつながるとした上で、最低賃金の大幅引き上げを見直すことにより、原材料価格や輸送費の高騰によりすでに発生しているインフレ圧力を緩和することが可能になるとした。
MRAはまた、ほとんどの経済セクターが操業再開したにもかかわらず、小売業界はいまだ新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックからの回復の途上にあると指摘。現在の業界慣行に従って労働者に支払う最低賃金にインセンティブやコミッション、諸手当を含めることを認めるべきだと主張し、雇用主がビジネスの収益性と持続性を維持しながら、雇用を維持できるようにするためにこうしたことが必要だとした。
(マレーシアン・リザーブ、ザ・サン、4月13日)