解雇に関するQ&A

マレーシアの日系企業の皆様より弊社に頂いたご質問の中から、解雇に関するものと、弊社の見解をご紹介致します。

解雇を行った場合の影響について

社員の一人が素行が悪く、業務態度も悪い為、解雇出来ないか検討しているが、解雇した後にその社員が不当解雇として会社を訴えた場合の影響を知りたい。具体的には、係争があることにより、ビザ(EP)の発給に影響が出る・その他政府系の機関からの不利益があり得るか否か。

弊社見解

仮に従業員の方が不当解雇で貴社を訴えた場合の影響についてですが、ビザの発給に影響が出たり、政府系機関等からの不利益(認可が降り辛くなる等)はありません。

なお、従業員の解雇に関しては、解雇の正当な理由を会社側がきちんと持っている必要があります。
勤務評価表の本人への提示及び説明、警告書(Warning Letter)の発行を行って頂いた後、Show Cause Letter(理由呈示命令書)の発行(必要であれば査問委員会開催)を経て解雇を含む処分決定とされるのがよろしいか思われます。

また下記、従業員を成績不良で解雇する際に会社が証明すべき3つのポイントとなります。
① 成績不良に対して警告したという事実
② 警告をした後、改善の為の猶予期間を与えたという事実
③ 警告して改善の期間を与えたにもかかわらず改善しなかったという事実

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日本人現地採用従業員の解雇について

勤務態度が悪くパフォーマンスが悪い日本人現地採用従業員を解雇出来るか。その場合、どのような進め方をするべきか。

弊社見解

解雇の対象者が日本人であっても、基本的にはマレーシア人と同様に以下の手順を踏む必要があります。

① 口頭での警告
② 警告書(Warning Letter)の発行
③ 理由呈示命令書(Show Cause Letter)の発行
④(必要であれば査問委員会開催)
⑤ 解雇を含む処分決定

査問委員会開催の必然性について

素行の悪い従業員が自主退職すると言っていたが、なかなか退職届を出さない為面談し辞める意思は確認した。いつまで待っても退職届を出さない為
一カ月後の期日で解雇通知を発行。本人も業務上の重大な過失を犯した事を認め、解雇通知に同意のサインをしたが、突然労働局から「本人が復職したいと言っているので協議に来い」との連絡があった。
最終的に、会社側は解雇前に査問委員会を開いていなかった点で落ち度があったと言われ和解金を支払う事となったが、査問委員会の開催は成績不良の従業員を解雇する際に必須か否か。

弊社見解

「本人が自主退職の意思を示していたか否か」は「正当な解雇が行われた否か」の裁定の争点にはならず、解雇する際、「成績不良 (又は不正行為) があった証明を会社側が行えるか否か」が重要になります。
因みに、労働局が「会社側は解雇前に査問委員会を開いていなかった」事を理由に和解金の支払いを命じたとのことですが、判例上、「査問委員会が開かれたか否か」は「正当な解雇が行われた否か」 の裁定には、考慮されないものとされています。

※ 雇用契約書や就業規則で「査問委員会を開く」旨が規定されている場合は別。
※ 労働局の担当官レベルですと、労働者寄りの、企業が応じる必要のない和解金支払いを提案してくる場合もあります。

従って当件、「警告書の発行、改善機会の付与、それでも改善しなかった」という一連の手順を踏んだ上で会社が解雇をしていれば、労働局が当理由で和解金支払いを命じたとしても、 会社はその要求に応じる必要が無かった可能性が高いかと思われます。

定年間際のGeneral Managerの解雇について

定年間際のGeneral Managerが協調性が欠如しており、仕事に支障が出ている為、解雇を検討している。
会社はすぐ定年になるのを知っていて=定年後も雇用を前提として正社員雇用し、本人も3年位は働く気で入社している。但し、雇用契約書や口頭でその旨は話し合われていない。この場合、定年による解雇は可能か、もしくは成績不良での解雇は可能か(協調性の欠如意外は振られた仕事をこなしており、口頭注意や警告書の発行は一度も行っていない)。

弊社見解

定年を理由に解雇をする事が望ましいかと思われます。但し、当人へは十分な説明を行う必要があります。
もし会社側も当人も定年後の再雇用を希望する場合、契約社員としての契約を提案し、それを断る場合は契約を結ぶ必要はありません。