マレーシアでの労働組合事情


本記事ではマレーシアでの労働組合について、頂いたご質問と弊社の見解を紹介致します。

労働組合のマレーシアでの状況

東南アジア諸国では、労働組合の組織率が高くその力も強いが、マレーシアでの労働組合の組織率は?

労働組合への加入は労使関係法Industrial Relations Act 1967で従業員の権利として認められています。組織率については下記記事にございます。

※Industrial Relations Act 1967の和訳を幣サイトで販売しております。こちらから詳細をご覧いただけます。

労働組合が設立されそうなときの対処法

労働組合が設立されそうで困っている。ローカルに勝手に話を進められており、日本人マネジメントが気が付いた時には、名簿の提出を要求されている段階だった。その後の会社の取るべき行動を知りたい。

以下記事に、労働組合設立までの流れを記載しております。
企業側は、全体の流れを把握し、拒否する場合は無記名投票で勝てるように準備することが必要です。

ナショナルユニオンと企業内組合

外部のナショナルユニオンと企業内組合のメリットとデメリットは?

組合は会社にひとつしか認められていません。ナショナルユニオンと企業内組合(インハウスユニオン)があります。

ナショナルユニオン
メリット
・加盟している他社のCAなどの動向などを参考にできる

デメリット
・CAの協議などでは、外部の人間が相手なので会社の状況などが無視される傾向にある
・昇給率やボーナスなども、会社の景況に関係なく要求してくる傾向にある
・協議決裂などの場合には、ピケなどを強行してくる

企業内組合
メリット
・交渉相手が社員なので、会社の状況を理解してもらえ易い
・法外な要求が出にくい

デメリット
・特になし

従業員のメリットとデメリット

労働組合に加入することの従業員へのメリットとデメリットは?

組合ができることとして、最低3年に1回のCAの締結と、組合員の2/3の承認でストライキを行う権利を有することがあります。

メリット
組合の狙う昇給率のアップなどのメリットを享受できること

デメリット
組合費を負担しなければならないこと

労働組合設立の防止策

労働組合の設立を進められないために、何かできる対策はあるか?

1.非公式の労使協議会を設立する
2.不平不満の是正に努める

給与など待遇面以外のことを話し合う場として労使協議会を設立する企業もあります。
会社は従業員の言うことに聞く耳を持っていることを理解させることができ、不平不満が蓄積しなくなり、組合設立のモチベーションが下がることになります。


この記事がマレーシアで人事・労務に関わる方の参考になれば幸いです。

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