建設業界、労働力不足や原材料高騰が回復の妨げに

【クアラルンプール】 国内経済が回復基調にあるにも関わらず、金利上昇や労働力不足、原材料高騰、リンギ安が建設業界の回復の妨げとなっている。
建設業開発局(CIDB)のアハマド・アスリ最高責任者は、中央銀行バンク・ネガラによる翌日物政策金利(OPR)引き上げ継続が業界に影響を与えており、請負業者の借入コストが上昇していると言明。また、新型コロナのエンデミック(風土病)段階移行後に建設が大幅に増加した影響で、建設業界では現在推定40万人の労働者が不足しているとし、CIDBは労働力不足解消に向け、業界団体や人的資源省と緊密に連携していると述べた。
外国人労働者に関しては、政府は46万7,223人の受け入れ承認を行ったのに関わらず、実際に入国したのは12カ国の7万6,000人に過ぎず、建設業だけではなく、アブラヤシ農園などの農業、製造業、観光業、小売業、電子産業などにも影響を及ぼしているとした。
アハマド氏はまた、3月以降対米ドル相場でのリンギ安が続いたことで輸入品や原材料価格上昇を招き、建材では特にセメントと鉄鋼の価格が上昇したと指摘。多くの機械・電気設備(M&E)部品も米国から輸入されているため影響を受けたとした。一方、12月に入りリンギ安は収束の兆しを見せていることから、今後2年間は、建設部門の業績は一定に保たれる見通しだと述べた。
アハマド氏は、建設業界がまだパンデミックから完全に回復していない段階でこれら多くの課題に直面しているため、政府に対し、インフラ整備や建設プロジェクトへのより多い予算配分を望んでいると述べた。
(ボルネオポスト、ベルナマ通信、12月7日)