米半導体大手の現地法人も解雇や採用凍結を実施=業界団体

【ペタリンジャヤ】 マレーシア半導体産業協会(MSIA)によると、米国の半導体企業で進行中の解雇や採用凍結の動きは、マレーシア現地法人にも影響を与えている。


 ウォン・シューハイ会長は、英字紙「ザ・スター」の取材に対し、マレーシア国内で解雇されたのは数百人規模で、経営層にまで及んでいるが、米国国内での解雇数に比べると低い水準にとどまっていると述べた。米中貿易摩擦により、中国への半導体供給が減少したため、米国系のハイテク企業がペナンなどの生産拠点で解雇を実施。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、インテル、エヌビディア、クアルコム、マイクロン・テクノロジーといった、マレーシア国内で事業を展開する半導体大手企業が昨年8月以降に解雇や採用凍結を発表している。その中でもマイクロンは、2023年第1四半期の業績が予想を下回ったことから、従業員の10%を解雇する計画を発表。マイクロンの今年のPC用半導体チップの納入量は10%以上減少し、成長率も横ばいになると予想している。


 ウォン会長は、企業はまず出張や開発の延期により経費を節減し、それでもコスト削減目標を達成できない場合にのみ最終手段として人員削減を行うと説明。コスト競争力のある国の子会社に生産拠点を移す企業もあるため、マレーシアは国際競争力を高めることが重要だと述べた。今後の雇用に関しては、以前ほどの採用数は見込めないものの、新規投資を行う一部の企業で採用が継続しているとし、離職率が高い企業も、失った人材を補うために戦略的な採用を行うだろうとした。半導体需要は2023年後半、遅くとも2024年第1四半期までに回復する見込みで、中国の経済再開や米国の方針転換が業界に影響を及ぼすとしている。長期的には、2030年までに世界の半導体市場は、現在の5,500億米ドル(2兆4,000億リンギ)から1兆米ドル(4.4兆リンギ)まで成長する見込みだと述べた。
(ザ・スター、3月6日)