HSBCに対する抗議活動、銀行労組が10日に計画

【クアラルンプール】 銀行員労働組合(NUBE)は、HSBCマレーシアに対する抗議活動を3月10日にマレーシア半島部全域で実施すると発表した。
 300件に及ぶ労使紛争に関連するHSBCの不正及び差別を糾弾するもので、皮切りに10日午後1時半から1時間にわたってジョホールバルのジャラン・ブキ・ティンバラン支店前でピケを張るとしている。
 NUBEのJ.ソロモン書記長は、HSBCが従業員の権利と利益を侵害し続けていることについてNUBEが過去3年間にわたって異議を申し立ててきたが、HSBC側がNUBEとの話し合いを拒否し続けており、労働協約及び1967年労使関係法の規定に基づきピケを張る以外に選択肢がなかったと主張した。
 NUBEによると、HSBCには▽マレーシアの労働法違反▽イスラム教侮辱▽従業員差別▽NUBEの活動抑制▽顧客情報の漏洩▽会議場への従業員立ち入り禁止▽業務のアウトソーシングによる従業員リストラ▽従業員の犯罪者扱いーーなどの不当な行為があった。
 一方、HSBCは声明の中で、「NUBEが提起している問題のいくつかは現在マレーシアの裁判所で審理中であるためコメントは保留する」とした上で、従業員が今後の仕事に役立つスキルを身に付けられるように、トレーニング、スキルアップ、資格取得の機会を提供するとして、会社側の努力に理解を求めた。
 NUBEは、新型コロナウイルス「Covid-19」禍の中でHSBCが多くの支店を閉鎖し、労働法に違反して多数の従業員を解雇していると主張していた。
(マレーシアン・リザーブ、3月7日)