雇用市場は来年回復=ランスタッド調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 人材紹介のランスタッド・マレーシアが発表した2022年の市場見通しおよび業界別の給与モデル・レポートによると、マレーシアの雇用市場は来年回復することが見込まれている。
 ランスタッド・マレーシアの責任者であるファハド・ナイーム氏は、2021年は半年以上、行動制限令(MCO)の影響で在宅時間が長かったことから、多くの人が外出したり、ライフスタイルを通常に戻したいと考えており、新しい仕事を探す人も出ていると指摘。また一部の従業員は在宅勤務を実施する中で、会社からサポートが得られなかったり、上司と折り合いが悪いことから転職を考える人も出ているとした。
 製造業についてファハド氏は、第12次マレーシア計画(12MP)やインダストリー4.0(IR4.0)改革などが奏功するとして、見通しは明るいと言明。新型コロナウイルス「Covid-19」の流行は半導体などの電子機器の需要を急増させており、事業拡大を発表している企業も出ているとし、人材を求めていると述べた。
 またファハド氏は、テクノロジー、銀行、金融サービス業界では、デジタル化が進められているが、有能な人材が不足していることから能力需給不一致が起きていると指摘。外国人労働者の雇用規制が厳格化されたことも、企業のデジタル化を加速させており、デジタル人材には強い需要があるとした。
 一方で求職者の動向についてファハド氏は、給与が最も重要な条件となっていると指摘。しかし優れた福利厚生も求める傾向にあると明らかにした。