雇用契約に関するQ&A

マレーシアの日系企業の皆様より弊社に頂いたご質問の中から、雇用契約に関するものと、弊社の見解をご紹介致します。

雇用契約書の仕事内容について

雇用契約書に”Job Description”を記載したが、そこに記述以外の事を従業員に依頼した場合、違反になるか。
もしくは雇用契約書に “会社判断で上述の職務内容以外の事を依頼する可能性がある”と一文記載しておけば良いか。

弊社見解

組織改革等があった場合に「Job Descriptionに記載以外の仕事を依頼する可能性がある」旨の記載がない場合、他部署への移動が不可となる可能性もある為、他部署への移動も含めた一文を付け加えておく必要があります。
雇用契約書に上記記載がなかった人へは、新たに上記文言を追記した改定版の雇用契約書にサインをもって下さい。

試用期間について

試用期間は3カ月で問題ないか。もしくは人によっては 6カ月と設定が可能か。
試用期間の最大月数は雇用法で決められているのか。

弊社見解

試用期間はマレーシア1955年雇用法では定められておらず、会社が任意で決める事が可能です。
3カ月から6カ月が一般的な試用期間の月数となります。

試用期間中の有給休暇について

試用期間中でも有給休暇を付与する必要があるか。

弊社見解

マレーシア1955年雇用法第60条Eでは、連続12カ月にわたる勤務に対して有給休暇が発生(=最初の1年は有給休暇はない)と定義されていますので、雇用契約書に試用期間中の有給休暇はなしと記載すれば問題ありません。

勤務年数について

雇用契約書に【最低でも1年は勤める事を前提とする】と記載することは可能か。

弊社見解

記載は可能です。但し、強制は不可となります。

契約解除について

「契約解除通知は3か月前を必須とする」と記載する事は可能か。

弊社見解

契約解除の予告期間を会社が任意で決めることは可能です。
一方で、就業規則に記載がない場合はマレーシア1955年雇用法第12条に則る必要があります。

被雇用者の勤務期間が2年未満     → 4週間前の通知
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