試用期間社員の正社員登用:病気により見送りは可能?

質問

試用期間中の者が、過去に重い病を患っていた事が判明。これを理由に正社員登用を見送る事が出来るか?

新規採用者の病歴の確認が合法か否か。

試用期間中の者(雇用法の非対象者)が、過去に重い病にかかっていた事が発覚。それもあってか、先月だけでMCを4回も使った。

会社としては正社員登用を見送りたい意向。問題ないか?

※ Probation期間は3-6ヶ月で、就業規則に規定。
※ 会社指定の健康診断を提出してもらった上で雇用。雇用後に、過去重い病気を患っていた事が発覚。

回答

マレーシアでは、判例上、試用期間の中の者は原則、正社員と同等の権利を有するとされています。

It is our view that an employee on probation enjoys the same right as a permanent or confirmed employee and his or her services cannot be terminated without just cause or excuse.

CASE NO. 3/4-950/13 SELVARAJU A/L KALIAPPAN AND LTC INTERNATIONAL LOGISTICS SDN. BHD.

つまり、会社の一存で正社員登用を見送る (=解雇する) 事は不可能です。

試用期間の終了に伴う契約解除には、正当な事由を証明する事が必要になります。証明出来ない場合、それは不当解雇と見なされます。

当件、会社指定の健康診断を提出した上で雇用されている為、
過去の病歴詐称等の名目で当人の不正行為に問う事は不可能かと存じます。

従って、病気を理由に契約解除するには、正社員と同様に、メディカルボードアウト (Medical Board Out) を実施する必要があるかと存じます。

メディカルボードアウトを行うまでの手順は以下。

・当人と話合いの場を設け、医師の診断を仰ぐよう伝える。

・医師から現業務の遂行が可能か否かの診断を受ける。
※ 指定医でも問題無し

(業務遂行が不可と診断を受けた場合)
・診断結果を元に、契約解除 (メディカルボードアウト) を行う。
※ 見込み回復期間を考慮する必要あり。

(当人が診断結果に不服を持ち、賛同しない場合)
・別の医師の診断を仰ぐ。
同じような診断結果の場合、当人が拒否するとしても、メディカルボードアウトを実施出来るかと存じます。

(医師が「問題ない (業務遂行は可能)」と診断した場合)
ALやMCを100%消化し、当人が無給休暇を取得し続けるようであれば、「会社の業務に支障をきたす」という理由の元、警告書や理由提示書の発行をした上で、試用期間終了時に、契約解除が可能。

メディカルボードアウトについて詳細記事はこちら